日本を代表する事業家になる〜世界一周で培ったキャリア観〜【狭間純平-後編】

前編では、弁護士を目指して一橋大学に入学した狭間さんが、キャリアをテーマにした世界一周「CAREERPACKER PROJECT」を企画し、旅立つまでを語ってもらった。後編では旅での経験や、そこから感じたこと、帰国後の行動や、これからのビジョンについて語ってもらった。 

//////////////////////////////////

45カ国300人以上に会った世界一周から学んだこと

ーでは本題となる世界一周について、まずどんなルートで行ったのか?どうやって会っていたのか?どういう人に会っていたのか?について教えてください!

狭間 世界一周は、まず東南アジアを回りながら旅のスタイルを決めました。もちろん自然豊かな田舎も良かったですが、それよりもその国の中枢都市が好きだということに気づいたので、その都市がどう発展したのか、どういう人が働いているのか、といった視点からその後、インド、アフリカ、中東、ヨーロッパ、南米、アメリカと世界の中心街をメインで周りました。

取材する人と会う手段としては、人の紹介、Facebookのグループ、Twitterのプロフィールや、旅先で無料で泊めてくれる人を探せるCouchsufingなどを使ってました。たとえばTwitterのプロフィール検索で「ニューヨーク在住」という風に日本語で検索するとピンポイントでそこに住んでいる日本人を探すことができるので便利でした。でも一番多かったのは人の紹介で、海外にいる人はボーダーレスに繋がっている場合が多いので、芋づる式に紹介してもらえたのが良かったです。

会ったのは、経営者、フリーランス、アーティスト、フォトグラファー、サッカー監督など、本当に様々なバックグラウンドの人たちです。

スペインバルセロナでサッカー監督を務める坪井健太郎さん
「ウガンダの父」と呼ばれる伝説の日本人、柏田雄一さん(フェニックス・ロジスティクス社長)

ーなるほど、じゃあ世界一周で会った人のうち印象に残っている人はどんな人でしたか?

狭間 旅の途中で衝撃を受けた人物は、同世代ですでに海外でビジネスをしている人、活躍してた人です。

何名か紹介するなら、たとえば、東アフリカで広告代理店を展開している園部篤史さん。彼は僕の一個か二個上なんだけど、アフリカで50社以上の経営をして、年商400億円稼ぐ実業家の金城拓真さんの元でインターンをしていた経験を生かして、大学卒業後すぐにタンザニアで起業。最近はDMM.comと一緒にアフリカのビジコンを開いてたりもしていました。日本とは遠く離れた地でこんな若い人が活躍しているのかと衝撃を受けました。

あとはイスラエルで出会った高卒のコンサルタント高木皓太さん。高木さんは僕と同い年で高校の時にアメリカへ留学し、帰国後に日本のコンサルティングファームに就職。その後仕事でイスラエルの会社とプロジェクトをしたことをきっかけにユダヤ人の精神に惹かれイスラエルに移住。現在は独立してコンサルタントをしながら起業準備中です。

こんな感じで、すでに同世代の方が世界の舞台で戦っている姿を肌で感じて、旅行中はずっとうずうずしてましたね。自分も早く社会に出て、行動を起こしていきたいと、居ても立ってもいられない気持ちがはやっていました。

ーでは、世界一周の前後で明確に変わったことがあるなら何ですか?

狭間 日本を代表する事業家になろうと思ったことです。それこそ、世界一周に行く前は海外にあまり関心がなく、どちらかというとドメスティックな人間でしたが、いざ回ってみたら考え方がガラリと変わりました。

建造物の中で一番感動したガウディのサグラダファミリアにて

トータルで45カ国を回って、日本や日本人、日本企業を相対化して見てみると、世界における日本のプレゼンスはどんどん低下しているなと感じました。世界の時価総額ランキングでも明らかに日本の企業の順位が下がっていることが分かりますが、実際に自分の足で海外を回ってみてその意味を肌で感じました。

たとえば、今後人口爆発で急激な成長が見込まれるアフリカのタンザニアやケニア。ここではローカルの人も現地の日本人もみんな、同じアジアの中国、韓国企業がガンガン進出をして、現地に根を張って市場シェアを拡大していると言っていました。実際、インフラ1つとってもChinaの文字が様々なところで見受けられました。一方で、日本の企業はどこも3番手、4番手。かつての“Japan As No.1”のかけらもありませんでした。

それでもまだ救いなのは僕が出会ってきた人のように、情熱と信念を持って海外市場を切り開いている日本人ビジネスマンがいるということです。「日本はこのままではいけない」と志を持って日本を飛び出し、海外で奮闘する姿はとてつもなくかっこよく思いました。だからこそ自分も現状を嘆くのではなく、打破して日本を代表するようなグローバルな事業家になりたいと。世界一周を通じていろんな人のキャリアを見てきましたが、よりダイナミックに社会にインパクトを与えられるのはビジネスの世界だと思えたんです。

ー世界の舞台で活躍してる若い人たちに触発されたわけですね。じゃあ帰国後にはどんなことをしてましたか?

狭間 帰ってきた後は、とにかく小さくてもいいからビジネスを始めようと思って、いくつかビジネスプランを練ってみましたが、とくに魅力的なアイディアがあったわけではありませんでした。なので、まずは運営していた世界一周のブログのグロースとマネタイズをしました。ただ、ブログ自体は僕の中でインプットしたものをアウトプットする手段、という位置づけだったので、まずはどこかでビジネスの立ち上げを学ぼうと思いました。

ちょうどその時、以前お世話になっていたTABIPPOの社長に、新しい事業を一緒にやらないかと誘われました。経営者の側で事業を運営していくことは学びも多いと思って、参画することに決めました。それで10月くらいからもう一度インターンを始めて、1年間キャリア支援事業の立ち上げに従事しました。

もちろん、その間に就活もしましたが、インターンで自分の仕事のできなさに愕然としていたので、社会にこんな影響を与えたいというよりも自分がいかに理想的に成長していくかという軸で動いていましたね。

判断軸としては大きな成長産業か?適切なプロダクトがあるか?経営陣が厚いか?プレイヤーやマネージャー層にも優秀な人がいてその人の側で働けるか?組織が若く活気があるか?事業を開発する力が身につき若い時から自分で意思決定する機会が多いか?過去に経営者や起業家を排出しているような環境か?そんなことを重視していました。

 

//////////////////////////////////

「外」の世界を知ることは、現在地を知ること

ーありがとうございました。最後に今後のビジョンや一橋生へのメッセージをよろしくお願いします。

狭間 ビジョンとしては、日本を代表するグローバルな事業家として日本を牽引していきたい。というか、していかなきゃダメだと思っています。これからの時代、日本は少子高齢化でどんどん活気がなくなり経済発展も停滞する。だからこそ、僕ら若い人間一人一人が強い使命感を持って次の日本を作っていかなきゃいけないんです。そこで、まずは自分がそのロールモデルになるつもりで頑張ります。中でも僕はビジネスの世界で勝負したい。まさに一橋のスクールモットーである「Captains of Industry」ですね。

世界を旅して感じた原体験を大事にして、高い志を持ちながら今目の前にあることを全力でやって結果を出していきたいと思います。

最後に、一橋生へのメッセージとしてはもっと「外」に出て欲しいと思います。「外」というのは海外に行けとか旅行をしろという意味ではなくて、自分のコンフォートゾーンを抜け出そうという意味です。

正直、一橋生は他大の学生と比べてもかなり視野が狭いと思います。一橋の立地上、都会に出なくても生活は可能だし、生徒数も少ないので、新しいものや新しい人に会う機会が少ないのは当然かもしれません。それでも、もっと他大学の優秀な学生は今どこを就職活動で受けているのか?どんな人と交流しているのか?さらにいうと、海外のトップレベルの学生は何を考えて就職するのか?そういう広い視野を持って欲しいです。そうすることで、目線が上がり、より自分の人生に責任が持て結果的にベストな選択肢が取れると思います。

僕自身大学2年から積極的に大学の「外」に出るようになって、いろんなものに刺激を受けそこから人生観がガラッと変わりました。だから、一旦外の世界から自分がいるところを俯瞰してみて、「自分がいたところはこんな小さな世界だったのか」と感じて欲しいなと思います。「外」の世界は思った以上に広く、そして面白いですよ。

//////////////////////////////////

久しぶりの学生インタビューでした。狭間さんも記事の中で言及していたように、やはり同世代で頑張ってる人、志の高い人からは良い刺激をもらうことができます。コンフォートゾーンから一歩踏み出し、未知の世界に飛び込むのはいつも不安や恐怖がつきまとうものですが、一歩踏み出すことができたなら、その先には素晴らしい景色が待っているし、自信にもつながるのだと思います。彼のような冒険心や向上心を忘れないでいたいものですね。

HITPORTでは、様々なキャリアの人にインタビューへ行き、発信するメディア活動や、講演会を開催するイベント活動で、頻繁に都内へ出かけています。世界一周にいかなくても、様々な人生観、仕事観を持った人に会うことができる機会ですので、興味のある方はぜひ一緒に活動してみませんか?

この記事が気に入ったら
いいね!しよう