ケニアでファッション誌を作る現役一橋生起業家。『人生を楽しむ』男が語る哲学とは? 【山下夏生-前編】

Captians of Industryを目指せって、社会のイノベーターたれって言われても…。そもそも夢とか目標とか見つかんないし…って一橋生こんにちは。

皆さんが毎日ゆるゆると国立へ通っている間にも、やりたいことに突き進む一橋生は、意外と身近にいるものです。同じ入試を突破して、同じ授業を受けて、同じ環境にいるはずなのに。その差って本当にこのままでいいのでしょうか…?

今回は起業を志して入学し、この夏ケニアでファッション誌事業を立ち上げた、現役一橋生起業家・山下夏生さんをHITPORTメンバーの1年・中牟田が取材してきました!

 

 

山下夏生さん

商学部2年でSSP所属。1年夏に一橋大学入試研究会・一橋スタディ、2年夏にケニアのファッション雑誌の立ち上げ・運営などを行われている。

 

ビジネスで社会貢献を

―初めに夏生さんのこれまでの活動についてお聞きしたいです!大学1年の時に、「一橋大学入試研究会」という事業を立ち上げたとお伺いしたのですが?

夏生 受験生向けに癖のある一橋入試に特化した問題集の販売や、HPで受験関連の記事の執筆・添削・お悩み相談を行ってきました。今年の一橋祭では、一橋生から譲り受けた参考書の配布などをします。

 

―受験生向けの事業だったんですね。始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

夏生 高校時代から漠然と起業に憧れていて、ビジネスを本気で学ぼうと一橋の商学部に入ったんですね。でも夏までは図書館にこもって勉強ばかり。なかなか行動を起こせず悶々としていました。その時たまたま兼松前で一橋祭出店の募集を見かけて。これはチャンスだ、ここで行動を起こさないと一生何もできないなと気がつきました。そこから一橋生ができること・一橋生に求められていることを考えて、研究会を立ち上げました。

 

 

―その後、今年にはケニアでファッション雑誌事業を立ち上げたと。そもそも、なぜケニアで起業されたのでしょうか?

夏生 実は去年の一橋祭で問題集を販売したところ一橋生に「えげつない商売してるぞ」と叩かれてしまったんです。自分は世の中の役に立ったと思っていたけれど、ビジネスって結局こんなものか…しばらく落ち込んで、勉強ばかりする日々に戻りました。

自分の目指すところはどこなんだろう、社会貢献にも一度目を向けてみよう。そう思い立って1年春に教育のボランティアでカンボジアへ。そこで全力で活動する人々の熱意に動かされました。自分も社会貢献をしたい、社会的に意義のやることをやりたいと本気で思い始めました。その思いが高まって今年の夏にケニアへボランティアにいくことにしたのです。

 

―社会貢献が目的で、ケニアに行き着いたのですね。

夏生 だけど現地では人手が足りていて、僕には仕事がなくて、暇で暇で仕方なかった。最初の1週間は観光だけしてました。自分何しにきたんだろうって困ってましたね。でもそんな時転機があって。100万人が住むアフリカ最大級のスラム街に連れて行ってもらったんです。そこでは意外と、皆困っていなかった。厳しい環境の中で必死だけど、皆イキイキ輝きながら生きていたんです。その姿を見て何かが吹っ切れたんです。

アフリカ最大のスラム街であっても、現地の人々はそんなに助けを必要としてはいなかった。何か社会的に意義のあることを、社会貢献をしなきゃいけないっていう一種の脅迫観念が自分の中にありました。でも自分は無理に社会貢献をしなくてもいいことに気がついた。

その中で何をしようか改めて考えた結果、ビジネスにたどり着きました。ビジネスは僕の学んでいること、得意なこと。そしてビジネスも社会貢献の一つになります。現地では仕事がないのが一番の問題で、雇用を生み出すビジネスだとそれを解決できるんですね。

 

―社会貢献の一手段としてどうしてファッション雑誌を立ち上げようと?

夏生 ケニアに行って驚いたのは皆ファッションに関心が高すぎること。髪型、服装、メイク、全部が個性で、誰一人として同じ格好をしていないんですね。女性は収入の3分の1を洋服に使うくらいで、途上国では考えられませんよね(笑)ビジネスを起こそうとしたとき、この市場は面白い、大きくて行けるんじゃないかと思いました。人々の個性を伸ばす、自分らしい服装を見つけるお手伝いをしたいと思いファッション誌に行き着きました。

 

 

100年もない人生、
楽しまないと損

―ファッションに目をつけたのがすごいです!夏生さんは行動する上で、軸とか「これは大事にしてる」っていうことはあるのでしょうか?

夏生 僕の行動の原理は『人生を楽しむ』。今楽しい・やりたい・好きだと思ったことをやる、楽しくないことは切る。基本的にそれで動いています。100年もない人生なんだから楽しまないと損だよね。時間が一番価値のあるものだから、楽しそうと思ったら物怖じせずに首突っ込んでいくようにしています。この前は秋葉原で地下アイドルのライブ見てきました(笑)面白そうだなって思って(笑)

 

―楽しいこと・好きなことだけをやっていくって、私には危険な感じがしてしまいます。

夏生 AIが進化していくこれからの時代、言われたことだけを効率的にやる画一的な人材の価値は下がっていきます。そうなった時に、好きなことを仕事にでるくらい、力のある人は強い。周りよりも価値を発揮できるでしょう。

ただ、好きなことが衰退していくものだと危険ですよね。だから、僕はいつも時代性を意識しています。これからの時代に必要とされるものと、自分の「好き」を合わせていく感じですかね。

 

―こうやって主体的にアクションしていく中で、学んだこと、成長したことはありますか?

夏生 世の中は意外と寛容だと学びました。何をやっても学生は許されるんです。お金も人も、想いがあれば簡単に集まる。実はまだ卒業してないんだけど、この前とあるデジタルベンチャーに入りたいなって思って選考を受けたら、ちゃんと能力を評価してもらって、入れそうになったんですよね。結局やりたいことを見つけて熱中してる学生って、魅力的なんでしょうね。

 

 

企業家は哲学者であれ

―起業したいなら大学の授業なんか意味ないから行くなっていう起業論も耳にしますが、夏生さんはSSPに所属されるなど勉強にも力を入れていますよね。一橋大学での学びって夏生さんの経営にはどう影響を与えていますか?

夏生 僕は理論と実践の乖離に悩んでます。実際、理論だけでは、事業を起こして人を動かすことはできません。でも、実践の結果が理論に当てはまることはあるし、今はしっくりこない理論が後になって活きてくることもあるだろうし。アイデアを出すときの1つのツールにもなります。

そもそも大学の授業は、単位のためとかテストのためとか、受動的に消化してるのでは意味がない。学びたいことがあったら自分で本を読む、授業受けるにしても自分で深く理解しようとする、主体性が大事です。

 

―大学で学ぶ意味って、何なんでしょうね?学問以外でも、大学の魅力ってありますか?

夏生 大学で学ぶ意味は考えてみるとなかなか難しいですね(笑)どうしても受け身になってしまうし。学問以外だと、僕は教授を使い倒しています。もちろん、経営戦略とか一般的な理論の話もするけど、起業の際の出資の相談とか人をつなげてもらったりとか、アカデミックじゃない部分でも力をお借りしています。

 

―教授を使い倒せている学生は少ないですよね。アカデミックの方では、最近、起業や経営にはリベラルアーツが大切とよく言われますが夏生さんはどうお考えですか?

夏生 それは僕も同意です。僕は経営者に一番必要なのは哲学だと思っていて。トップの人間には実務ではなく、世の中をこうしたいというビジョンを描いたり、皆にやりたいことを与える哲学的な役割がある。起業家は声をあげる存在なんですね。

そして、リベラルアーツは広い分野に興味・関心を持つことに繋がっている思います。アンテナを広く張って、コレだと思ったものを見つけて、人を集めていくという起業家のやることに繋がっていくと思います。

 

前編では、『人生を楽しむ』夏生さんが起業されるまでの苦悩の日々や、学生起業家ならではの起業に対する考え方をお聞きしました。後編では、やりたいこと・好きなことが見つからない一橋生へのメッセージやご自身の今後について語って頂きます。

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