「1年社会に出るのが早いとか遅いとかどうでもいい。」学生時代に築いておいた方がいい土台とは?

「ちょっとやりたいことがあって休学しようかな。」
「部活やりきったけど、もうちょっと学生のうちに経験したいことがあって。 」

大学生であれば一度は考えたことがあるであろうこんなお悩みにバッサリ答えてくださったのは、NPOクロスフィールズ代表の小沼大地さん。

ダボス会議Global Shapersや、ハーバードビジネスレビュー「未来をつくるU-40経営者20人」に選出されるなど、世界から注目を集めている社会起業家です。

 

 

以前、HITPORTでも取材させていただいたのでご存知の方も多いかと思いますが、中々変わった経歴の持ち主。

一橋で4年間ラクロスに打ち込んだ後、就活で大手企業、、、ではなく、なぜか青年海外協力隊で2年間シリアに赴任。帰国後、マッキンゼーに入社したかと思えば、2011年にはNPO法人クロスフィールズを立ち上げ、現在代表理事を務められています。

ちなみに、クロスフィールズ立ち上げの背景には、学生時代に目を輝かせて夢を語っていた同級生が、社会に出てからその活力を失っている姿を目の当たりにし悔しかった経験があったそう。

そんな、人一倍、キャリアや生き方について考えてきたであろう小沼さんに、学生時代の過ごし方について聞いてきました!

今回は、11/20開催のIKKYO INNOVATOR’s FESTIVAL直前企画として、講演会最年少登壇者である現役3年生の飛矢さんとの談形式でお届けします。


高校時代に、人生の方向を今決めることはできないと気づく

飛矢:今日は、よろしくお願いします!僕は、1年生の夏にカンボジアでインターンシップを経験し、翌年の4月に「SeedA」という学生団体を立ち上げました。今は、現地でスポーツフェスティバルの運営を行っています。

早速なのですが、小沼さんは学生時代から、「クロスフィールズ」の様な団体を立ち上げられる構想をされていたのでしょうか?

 

(飛矢さんについては、カンボジアで運動会を開催する現役一橋生に話を聞いてみたをどうぞ。)

 

小沼:いえ、1ミリもなかったです(笑) 学生時代は馬鹿なくらい何かに一生懸命打ち込むことが一番大事だと思っていて、ラクロスに全力で取り組んでいました。当時は、クロスフィールズはおろか、就活のことすら全く頭にありませんでした。

飛矢:では、いつごろから今の活動を意識し始めたのでしょうか?

小沼:それは、高校三年生の時、ある本に出会い、価値観が一変したことまで遡ります。ちょうど受験期で進路を模索している頃でした。

当時、カトリック系の中高一貫校に通っていたことから、「隣人を愛しなさい」という教えに共感しており、どんな生き方が一番世の中に貢献できるんだろうという軸で進路を選ぼうとしていました。

ところが、ある日『社会学に何ができるか』という本を読み、あらゆる文化は所詮装置であり、文化に正しいも誤りもないと説く「文化装置論」という考えを知ったんです。

その時、自分が当然の様に進路選びの指針に置いていたキリスト教的な価値観は、あくまで一つの価値観にすぎないんだということにハッと気づいたんですね。

世の中には多くの価値観があるんだから、人生の方向を今決めることは無理だし、今の自分が想像もしてないところに楽しい世界が待っているかもしれない。それなら世界中を見てやりたいと思いました。

今振り返ると、この時が全てのスタート地点でした。その後、社会学に惹かれて一橋の社会学部に入学。学生時代はラクロス部で活動しながらもオフ期はバックパッカーとして途上国をいくつも回っていました。

その経験は、青年海外協力隊への参加に繋がりましたし、協力隊での経験がクロスフィールズ設立の原体験になりました。

 

(クロスフィールズ設立に関しては、「青年海外協力隊からマッキンゼー入社、NPOを創業するまで」をご覧ください)

 

実は社学の学生ほど経営者に向いているかもしれない?

飛矢:そうだったんですね。青年海外協力隊から帰ってきてからマッキンゼーに就職し、その後、起業されるんですよね。

僕も小沼さんと同じ社会学部に通っていますが、実際社学での経験は現在の活動に生きているのでしょうか?

小沼:正直、今まで7年間経営をしてきて、社学で身につけた知識や考え方とマッキンゼーでの経験、どちらがビジネスに生きているかと言われたら、実は社学時代なんです。

というのも、今の社会では変わった人が求められる変人勝ちみたいなところがあって、僕は人と違った見方で物事を考えることが得意なんですね。

それは社学時代に変わった教授の授業を受けながら亜流のことを考える思考様式を学んでいたからじゃないかなと。一つの事象をああでもないこうでもないと分析していたことは今振り返ると本当に貴重な経験でした。

飛矢:僕はカンボジアのドロップアウトの問題を解決したいと思ってゼミでスポーツと開発を学んでいますが、まだ色んな考えを吸収できてはいないです。

小沼:僕はゼミで、正解がないことを自分の頭を使って考えることを学ばせてもらいました。世の中には正解がないことが多いから、それをこねくり回すことに意味があります。これからの世の中では、今すぐには役立たないことが役立つようになります。

逆説的ですが、役に立たないことを突き詰めて考える社学の授業は役に立つ。実は社学の学生ほど経営者に向いているかもしれないと思いますね。

1年や2年社会に出ることが遅れたとしても、長い目でみると良い経験になる

飛矢:すごくいいお話を聞けた気がします(笑)一橋生って卒業後はとりあえず大企業に就職する選択が主流ですが、なぜ小沼さんは就活をせずに大学院に進学しながら青年海外協力隊参加という選択をしたのでしょうか?

小沼:そもそも教師を志していたこともあり、ビジネスにあまり興味がありませんでした。それよりも、何か変わったことをやりたくて、青年海外協力隊に入れば生徒に面白い話ができる教師になれるんじゃないかと。

でもその一方で、協力隊だけに突き進むのはよくないなと感じていて、ちょうど大学院の教授が、協力隊に行くのであれば1年分院を免除してあげると言ってくださったんです。

打算的に幾つか選択肢を用意して検討したときに、院と協力隊の二つ合わせて3年で卒業できるのであればリスクヘッジもできるし一番良い組み合わせだと思いました。

今振り返ると、あの選択をしたことは本当に正解だったなと。自分の興味が向く方に怖いなって思うくらい時間をかけて、訳のわからないことを突き詰めてやったことは本当に自信になりました。例え、1年や2年社会に出ることが遅れたとしても、長い目でみると良い経験になります。

かつて大学時代の友人に「皆はいきなり就活して山を作ろうとしたけど、お前は数年かけて先に土台を作った。きっとお前は高い山を作るやつになるんだろうな」という嬉しい言葉を貰いました。

学生時代に人生をかけてもいいなと思えることに突き進んで、がっしりした土台を作ると、最終的には強くて高い山を立てられるんじゃないでしょうか。意外とすぐに山を立てようとするのは危険な道だという可能性があることを一橋生には伝えたいですね。

 

 

飛矢:僕はSeedAでカンボジアに体育館を立てようと構想していて、来年就活してる場合じゃないな、休学しようかなと迷っています。小沼さんのお話とても参考になります。

小沼1年社会に出るのが早いとか遅いとかどうでもいいと思います。40代よりも20代にバックパッカーを経験した方がいいと言いますし、思い切った決断を感性の瑞々しい若いうちにやることが凄く大事だと思います。

最近同年代の人と話していて、「小沼さんはやりたいことが明確でいいですね」と良く言われるんです。別に批判をする訳ではないのですが、30代になってから、立てる山を間違えたと気づいても、もう降りれなくなってしまっているので遅いんですよね。飛矢君はぜひそのまま今の道を突き進んでください。

 

・・・・・・・・・

前編では、学生時代に築いておいた方が良い土台についてお伺いしました。

後編では、世界の最前線で活躍する小沼さんが見据えるこれからの未来と、進路選択のポイントについてお聞きます!

「少なくとも就活生はIT系とかスタートアップの人の話も絶対聞いた方がいいです。」

 

 


小沼さんが一橋にやってくる激アツイベントがこちら!

『Ikkyo Innovator’s Festival』

■主催:AIESEC/HITPORT
■日時:11月20日(月)17:20~20:10
■概要:日本を代表するイノベーターが一橋に集結する国立史上最高にアツい講演会!
■登壇者一例:

・牧野 正幸(株式会社ワークスアプリケーションズCEO)
・佐山展夫(一橋ICS教授、スカイマーク会長)
・佐々木大輔(freee株式会社代表取締役)
・小沼大地(NPO法人クロスフィールズ 共同創業者・代表理事)
・安部敏樹(株式会社Ridilover代表取締役)

and more……..

参加申込はコチラから!

 

 

 

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