一橋祭企画に登壇する、京大客員教授の瀧本哲史氏から一橋生への提言 瀧本哲史氏インタビュー 井の中の一橋生、大海を知らず【前編】

※この記事は、瀧本ゼミ(詳しくはこちらhttp://seisaku.strikingly.com/)に所属する一橋経済の学生と、瀧本哲史京都大学客員准教授の対談です。HITPORT主催の一橋祭企画「経産省若手官僚×瀧本哲史講演会」に合わせ出稿しました。

 

お名前:瀧本哲史

進路:東大法学部卒業と同時に東大大学院法学政治学研究科助手に採用。助手の任期後、経営コンサルティング会社McKinsy&Companyで主に通信、エレクトロニクス業界の新規事業、投資プログラムのコンサルティングに従事する。その後、2000億円近くの債務を抱えていた日本交通の経営再建に取り組む。現在はエンジェル投資家として活躍する傍ら、京都大学客員准教授を務める。東京・京都で、自主ゼミ「瀧本ゼミ」の顧問を務める。

 

「社会のリーダーを作る大学」としての一橋

ゼミ生:瀧本先生、今日はよろしくお願いします。

 

瀧本:お願いします。そもそもあなたは一橋生ですが、一橋の創業者って知ってますか?

ゼミ生:森有礼ですよね?

瀧本:半分正解で、実は森有礼と福沢諭吉なんですね。彼らは二人でイギリスの教育制度を議論した時に、イギリスの社会って結構ビジネスマンがリードしていることに注目して、そういう人達を作る大学を作ろうと考えて、ビジネスをするための大学を作ったんですよ。つまり一橋というのは「『ビジネスマンこそが社会のリーダーであるべきだ』と考える人を作る」という、とてつもなく高邁な目標から始まっていて「官僚が日本を引っ張るとかダメじゃない?」という意識で、“官僚養成大学”東大とは違う種類のカウンターカルチャー大学が作られたんですよ。

 

流されるままの一橋生

瀧本:それにも関わらず、一橋の学生が規制が強い分野に行って「なるほど、霞ヶ関の言うとおりです」って言って媚びているのでは、建学の理念に反する訳ですよ。むしろ、政府はこう言うけれど私達はこう思っていて、そもそも日本のリーダーは別に永田町でも霞ヶ関でもなく私達ビジネスサイドの人間だ、と行動を起こすべきなんですよね。あるいは官僚になる人でも、何も戦略が無くなんとなく官僚になってしまうのでは、何も変革を起こせずに終わってしまいますね。

一方では一橋出身のリーダーも生まれてきていて、東大でも新たなリーダー像として「先頭に立つ勇気」とか言っている人がいる中で、皆さんなんとなく生きていませんか?という訳です。

以前一橋で一度講演をしたのですが、その時に一橋ってスマートで要領のいい人が多いという印象を受けました。でも世の中は変化が大きく、要領よくやろうとしたら突然前提が変わりました、ということも多いと思っていて、何も戦略を持たないのでは、一橋生としての元々の強みというのがだんだん通用しなくなっていることもあるんじゃないかなと思います。

 

籠りがちな一橋生・出クニタチ

 

ゼミ生:瀧本先生は、自分と異なる考え方に触れることの重要性を説かれていますよね。

瀧本:はい。重要性については講演の中でも触れると思うのですが、それに関し一点指摘すると、私は、学生が大学の中に籠りすぎるのは良くないと思うんですよね。特に一橋でいうと、東京の大学と言いながら、国立と小平だけでほとんど事足りている人も多いんじゃないですか?さらに言うと「うちは総合大学です」といいながら、冷静に考えると「うちは『社会科学の』総合大学です」という謎のフォルムですよね。全世界的に見ると総合大学ってそもそも芸術系までも入れるべきもので、東大ですら総合大学じゃないという議論があるんですから。こういった感じで一橋は少し閉じているところがあって、だからこそ外部の学生や大人の話を聞くことがいいんじゃないかと思うんですよ。

ゼミ生:確かに理系学生との交流は少ないですね。

瀧本:でも実は国立の立地って、一橋の強みでもあるんですよ。アメリカの大学って意外と感じの良い地方都市にあったりすることが多いですし、一橋の方がグローバルな意味での大学というところにふさわしい環境にあると思います。だからこそ学生が外に出て、視野を広げることが重要だと思いますね。

 

多様性に触れていますか?

瀧本:今回講演会を開催するHITPORTが持つ問題意識としては、「一橋の人たちの就職先というのは割と周回遅れみたいな気がしていて、多様性がないんじゃないか」と。確かに、東大の人はベンチャーに行くような流行がある一方で一橋は相変わらず商社とかメガバンクに人気がある。けれども世の中では大企業に入って終身雇用されるモデルが壊れているわけですからね。別に何らかの戦略があって行くのならいいのですが、そうでないとなると、よく分からない人生を送ることになりかねません。それから日本での終身雇用的な仕組みというのはごく一部の時代にしか無くて、さらに言うとまあまあいい大学の人が大企業に行くといった場合に限り通用したものでしたからね。

その辺の問題意識を共有するのにどうしたらいいか考える会をやろうということで、一つは日本の雇用環境が変わってきているという観点から、経産省の次官若手プロジェクトをやっているメンバーが話をして議論する機会を設けました。今回の一橋祭は試験日の関係で国立市の祭と日程がずれてしまったので一橋の実力が試される。今回のイベントはみなさんぜひ来て欲しいですね。

 

後編では、「経産官僚若手レポートの裏側」、そして「瀧本ゼミ」について紹介します。

 

 

瀧本哲史さんの発言が気になる。そんな方のために、HITPORTは一橋祭において「経産省若手官僚×瀧本哲史氏『不安な個人、立ちすくむ国家』」講演会をご用意しております。ぜひお越し下さい。

詳しくは下の画像をクリック!!

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