価値を出すこと。それは「答えのない問題に答えを出して、世の中を変えること」 瀧本哲史氏インタビュー  井の中の一橋生、大海を知らず【後編】

 

経産官僚若手レポートの裏側

瀧本:僕はこの手の大学の講演会は受けないのですが、既存の大学で出来ないことを出来る一橋大学ということで、他の講演会ではやらなかった方向でぶちかまして行こうと思っています。そういう意味でも来て欲しいですね。ところで、講演会の内容について、当日はあまり批判はしないのでここで批判しておくと、経産省若手プロジェクトの面々は専門家に聞いていないわけで、そういう人たちに日本の社会保障を聞いてもしょうがないですよね。

 

経済産業省ホームページより http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

 

ゼミ生:てっきり専門家の意見を反映したものだと思っていました。

瀧本:こうやって、よくわからない擬似専門家とか評論家みたいな人によくわからないことを聞いてしまうことは良くない傾向なんですよ。そういう意味でいえば僕もこの社会保障の問題とかはあまりよく分かっていないと思っているけれども、社会保障に関しては専門家に聞くことができるので、当日はその意見をもとに議論を組み立てていきます。

ゼミ生:学生にとっては、学問的な専門性を身に付けることは重要ですよね?

瀧本:そう思います。そういう専門知は非常に重要であって、そういう面で言うと一橋の中で一番価値があるのはみんなが忘れている社会学部だったりするんですね。社会学というと世の中の怪しいルポタージュみたいな社会学みたいなものがあるけど、あれはパチモンの社会学であって、真っ当な社会学をやってるのは一橋の社会学部なんですよ。

それから経済学も色々と大人の事情があって、メジャー大学ですら近代経済学をちゃんとやってないところがある中で、一橋の経済学部っていうのはちゃんと昔から近代経済学をやっているんですよ。しかもその内容も教員も結構良くて講師が香港に引き抜かれてしまうこともありましたよね。
https://hitportmedia.com/?p=2679%E3%80%80class=

(詳しい内容は、こちらの記事を読んで見てください。)


勿論法学部や商学部も素晴らしいですし、皆が思っている以上に一橋は結構いい教師陣でやっていて、そういう学問の知をもっと使った方がいいのではないかと思っているんですよ。

最近は特に政策形成に関してそう思いますね。

学術的知見をベースにした問題解決

瀧本:ここで急にCMが入るんですが、東京瀧本ゼミ政策分析パートというのがあるんです。ここでは学生が政策に留まらず、皆が知らないけれど実は重要な問題を見つけて、解決策を作っているんですね。それで瀧本ゼミは、ブレストとかからアイデアを出して終わるようなよくある団体とは大きく違うんですよ。それが、専門分野の人にアクセスして、実際に研究していることなんですね。

ゼミ生:具体的に何をやっているのか知りたい人もいるかもしれませんね。

瀧本:詳しくはHPを見てほしいんですが(http://seisaku.strikingly.com/)、アトピー性皮膚炎の予防からいじめ対策プログラムの導入に至るまで、学術的知見に基づく解決策を実際に世の中に根付かせる所までを目指して活動しているんですね。その過程では、研究者や議員の方にご協力頂いています。特に一橋で言うと、経済学部の講師で香港に引き抜かれた川口康平先生と組んで、大学の研究費に関するプロジェクトをやっています。春には川口先生やこのあと外務大臣になった河野太郎氏とともにトークイベントを実施しました。

 

国立だけに留まらない学びの体験

瀧本:一橋では少人数のゼミを大切にしてやっていますよね?あれって結構大事なんです。一橋でゼミやって学んでいるのに、そんな瀧本ゼミとかに行かなくてもいいじゃん、という話になりますよね?ところが一橋のゼミならではの弱点を瀧本ゼミは補っています。それは先ほども出て来た「一橋は本当に総合大学なのか?」って話です。瀧本ゼミには理系や医学部をはじめ他の大学の人たちもいるので、このゼミに入ると「国立にずっとこもりっきりで視野が狭くなっているんじゃないか?」という一橋の弱点を解決することが出来ることが一つのメリットです。

もちろん瀧本ゼミは1,2年生から参加する人も多くいて、低学年のうちから視野を広げておくという点で非常に良いことだと思いますよ。

ゼミ生:瀧本ゼミでは学年は全く関係ないですからね。

最も難しい問題を最高のメンバーと解く経験

瀧本:あと、「今の世界のような不確実な状況でどういうキャリアでやっていけばいいんですか」という問題に対しては、「答えのないことをリサーチして出てきた結論を、世の中の人に広めて世の中を変える」というのが一番バリューになると思っています。それを擬似的に体験できるのがこの瀧本ゼミのいいところです。

ゼミ生:問題を発見すること、そこに解決性を見出すこと、どちらも極めて不確実ですが重要なことなんですよね。

瀧本:これは政策に限らず社会全般に当てはまりますね。ちなみに瀧本ゼミは政策パートと言っているけれど、自分で会社を作ったり研究したりした方が早くないか?と考えている人も出始めているように、マーケティングや起業サークル的な意識性もあるので、そういうところに関心がある人は来てもいいんじゃないかと思います。

 

瀧本ゼミが関わるプロジェクトのひとつ

 

瀧本:最後になりますけど、前編の記事から霞ヶ関をややディスっていましたが、実は瀧本ゼミからは大量の人材が霞ヶ関に進んでいて割とみんな面白いことを自由にやったりしていることもあり、僕は霞ヶ関がダメだと思ってるわけではないです。むしろ僕はそういう意味だと、霞が関で活躍できる人材を増やしたいと思っているので、官僚志望の人も瀧本ゼミに来てもらえると良いかと思います。ちなみに今回くる若手次官のいる経産省は霞が関の中では自由すぎる官庁なので、そういう意味では霞が関で官僚やってみようかな、という人にとっても面白い議論になるんじゃないかと思います。

 

ゼミ生:官僚志望の人もぜひきて欲しい、ということですね。

今日はありがとうございました。

 

瀧本ゼミの活動に興味を持ったという人はぜひTwitterをフォローして他の記事もご覧ください。

https://twitter.com/tsemiseisaku

 

なお、瀧本ゼミの新歓は例年春・秋に行っております。

一橋生も数多く所属しています。

詳細についてはHPをご覧ください。

http://seisaku.strikingly.com/

 

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