スタートアップと大企業、新規事業を起こすならどっち? ウォンテッドリー株式会社 逆瀬川光人 前編

「上場前後のスタートアップで働くのってどれだけ面白くて、どんないい経験がつめるんだろう…」
そんなことを疑問に思っていると、なんとあの”ウォンテッドリー”で新規事業を創っているOBに話を聞く機会が!
伸びに伸びてるスタートアップの魅力とは?新規事業やりたいなら大企業とスタートアップどっち?
フィーホ→楽天→ウォンテッドリーという異色の先輩に、ストレートに聞いてきました。

<ウォンテッドリー株式会社 逆瀬川光人さん>

2011年法学部卒。大学時代はフィールドホッケー部でキーパーをやりながら、フェアトレード推進サークルラポンテの代表を務める。フィールドホッケーでは、二部リーグのGK王にも選ばれる。
新卒で楽天入社。モバイル戦略課にて、スマートデバイス経由の売上拡大のため、各事業のモバイルUI/UX及び、マーケティングのコンサル業務に従事し、楽天PointClubをはじめとするアプリケーションのプロダクトマネージャーや新規事業開発に関わる。
その後、ウォンテッドリー株式会社に入社。新規事業推進室マネージャーとして、名刺管理アプリ「WantedlyPeople」のビジネスを推進する。

 

就職先は、「初任給良くて厳しそうなところ」で決めた

ー学生時代はフィーホとラポンテのみっていう感じですか?

逆瀬川 そうですね。授業は全然でてなかったです(笑)ラポンテではまちチョコというチョコレートのリパッケージング企画などをやったりしてました。

ー就活はどんな感じでした?

逆瀬川 ちょうど氷河期だったので、外資とか行ったら「すごいっ」ってなる感じだったと思います。スタートアップに行く人とかは全然いなくて、DeNAとか楽天ってなると「そんな選択肢あるんだー」みたいな。周りの体育会はみんな商社やメーカー、不動産など安定して給料の良い企業を志望していました。僕は正直どこでもいいと思ってて、「初任給良くて厳しそうなところ」を探しました(笑)今だとちゃんとやると思うのですが、その時は何も考えていなくて、ちゃんと就活しなかった。

ー部署も、プロダクトサイドのちょっと珍しい部署ですよね?

逆瀬川 楽天も営業とかは締め切っていて、クリエイターの部署しか募集していなくて、なんとなく応募しました。まあ、「手に職ついてちょうどいいんじゃないかな」って思って(笑)

ーまわりは商社やメーカーばっかりの中で、楽天という選択に不安はなかったですか?

逆瀬川 うーん、それはあまりなかったですね。結局、「どこに入るか」よりも「入った後どれだけきちんとやれるか」が全てだと思っていました。これは今振り返って改めて思うことなんですが、なんですが、全ての仕事は抽象化していくと究極的には全て同じで。誰の課題をどういうステップで解決するかだと思います。なので、1つ1つの仕事をきちんとこなし、その都度抽象化して、チャレンジし続けられるか。なぜか、その考え方が初めからベースにあったから、不安はなかったです。もちろん、新卒の時は失敗ばかりで、怒られてばかりでしたが(笑)

ー今、就活をやりなおすとしたら、どうしますか?

逆瀬川 当時は、インターンみたいな制度もそんなに有名ではなく、する人も少なかった。今だったら、インターンに行って「働く」ということをある程度知った上で、いろんな人に会いに行ってから決めると思います。学生の時は何も考えていなかったので、その大切さに気付かずOB訪問すらちゃんとしていなかったですが(笑)

 

 

新卒で楽天へ、プロダクトマネージャーとしての経験

ー次は、楽天時代の仕事についてお伺いしたいです!モバイル戦略課ではどのようなことをされていたのですか?

逆瀬川 ミッションは、「楽天サービスのスマートデバイス経由の売上をあげる」でした。具体的には、楽天市場とか、個別のサービスの改善をするためのコンサルティングを、要件定義からマーケティングまで幅広くしていました。さらに、そこで得られた知見を活かして、エバンジェリスト的な立ち位置で社内の各事業部へ横展開します。、楽天PointClubの立ち上げやプロジェクトマネージャーもやっていました。プロダクトマネージャーの仕事は、整理と進行管理。初期は、ペルソナとサービスの要件を考えて、プロダクトが世の中に出るように進行管理をする。リリース後は、サービスをひたすら改善です。
最後の方は、マイクロソフト社など外部とのパートナーと一緒に仕事をしたり、新しいプロダクトの開発もしてました。幸運にも、具体的な業務を幅広く経験させていただきました。

ーそういった裁量権の大きな業務は、入社後すぐに担当していたのですか?

逆瀬川 2年目ぐらいで、やっと初めて裁量権も多い仕事を任せ始めてもらいました。1年目はかなり大変で毎日怒られてばかり。出来たばかりのチームで、自分はチーム初の新卒。周りは、ベンチャーで活躍していた人ばかりで、最初は資料の印刷や、下調べばかりやっていました。。上司に言われた「目の前の上司の仕事を奪っていくことが部下の仕事」をモチベーションにいつか、奪ってやろうと思い、毎日厳しく怒られながらも、必死で食らいついていこうとしていました。

トライアンドエラーしていくうちに、徐々に認められるようになり、入社2年目に、OGP(SNSでページがシェアされた時に、そのページのタイトルやサムネイル画像を意図した通りに表示させる仕組み)を楽天が初めて導入するというプロジェクトにアサインされました。上司と私の2人。3ヶ月で40事業部くらいに導入したのだけど、それをやりきった時が転機だった気がします。その時は必死に導入をお願いしていたのですが、今振り返ると、仕事の進め方とか、周囲の人と一緒に仕事をしていく基礎になったと思いますし、、今はOGPを導入していないIT企業なんてないことを考えると、ちゃんと未来に残っていくことをやりきれたという達成感は大きかったですね。

ーかなりテクノロジー寄りの業務を担当されていたみたいですが、文系職でありながらそういった知識ってどうやってキャッチアップされていたのですか?

逆瀬川 学生時代のころはパワポもエクセルも出来ませんでした。入社した時も簡単なショートカットすら覚えていなかったので、もともとITやデジタルにとても弱い人間だったんだったと思います(笑)でも、業務ではプロダクトを見なきゃいけないので、とにかく新しいサービスやテクノロジーにアンテナを張り続けるように心がけていました。新しいアプリは定期的にダウンロードして、「ここのUIいいな」とか、実際に使ってみて一次情報に触れておくことで、リテラシーは高まったと思います。

ーじゃあ自分で全部キャッチアップされていたんですね。

逆瀬川 さすがに無理です(笑)楽天のときは、それが社内制度として結構仕組み化されていて。一週間に1度、みんなで共有する時間とかありました。

ーベンチャーっぽいですね。

逆瀬川 いいものは仕組み化して、チーム全体で強くなろうっていうスタンスがモバイル戦略課にはあり、今でも、とても感謝しています。楽天はいい会社でした。とにかく目標に向かってやりきる姿勢を叩き込まれたと思います。。やりきるのって大変ですが、それを通じて学ぶ機会は比較的多かったと思います。

 

 

このままだと自分のキャリアが危ない

ー続いて、転職についての話をお伺いしたいです。ざっくりとした質問になりますが、転職を考えた理由とかきっかけって、何だったんですか?

逆瀬川 理由としては2つあって。
1つ目は、「良いチームで、良いプロダクト・サービスを開発していきたい」っていう思いが高まったこと。新規事業をやる上で、強いチームが、高い志と熱いパッションと高いスキルを持って同じ方向に進んでいくが大切だと思います。楽天からベンチャーに転職して、活き活きとやってる先輩がいたんですが、その会社の人たちは、みんな口を揃えて「世の中をこうやって良くしていきたい」って言っていました。現場レベルで、みんな言えるのは良いチームだなと思い。それを求めたのが一つ目です。
2つ目は、「このままだと個人としてのキャリアが危ういな」と思ったこと。楽天に5年もいたので、仕事はそこそこ回せるようになり、きちんとやれば、割とカタチ出来た。ただ、ベンチャーに転職した周りの友人の話を聞いていると、彼らは、自分より格段に早いスピードで仕事をしているとその時思ったんです。。情熱を持って、高速でサービスを改善してると、結果的に個人のキャリアアップにもつながる。自分のキャリアを考えると、もっと厳しい環境でPDCA回しながら揉まれていかないと、将来的に自分の仕事が無くなると、本当に危機感を覚えました。

 

新規事業を起こすなら、スタートアップか、大企業か?

ー楽天に残った場合には、どんなキャリアを想定していましたか?

逆瀬川 モバイル戦略課でUI/UXの改善をするとか、事業部で事業開発とかですかね?正直、あまりわかりません(笑)ただ、大企業での新規事業立ち上げは、大企業ゆえに、最初からそれなりの規模を目指さないといけないと思います。でも、新規サービスを生み出す上で、最初から規模とか成長ラインを担保できるものって、なかなかないし、リスクはとれない。その場合、自分が関わった時に、将来的にあんまり勝ちきれるイメージがありませんでした。もちろん、楽天ペイとか、うまくいっているサービスもいっぱいあるんですが。

ーここ、結構聞きたいところなんですけど、大企業で新規事業を起こすのと、スタートアップで新規事業を立ち上げるのって、どっちがいいとかあるんでしょうか?

逆瀬川 どっちもメリットデメリットあると思います。大企業でやる場合、ブランド力が圧倒的に強い。でも実は、新企業に限ると、資金力は普通だと思います。会社は、も儲かるところに優先的に投資するので、あまり予算がもらえないことも多いと思います。まだ、別サービスでユーザーはすでに獲得してるので、グループからの送客は期待できると思います。
ただ、予算が思ったよりもないので、小粒になってそんなにスケールしない可能性が高いもあります。

 

 

ーなるほどー。

逆瀬川 一方、スタートアップはとにかくスピーディ。チーム力、個々の力が高ければ、成功する可能性が高いです。ただ、知名度は大企業と比べて天と地の差なので、その分、最初はかなり頑張らないといけないです。
個人のキャリアの成長という面でいうと、ある程度、予算規模が大きいとか大きなインパクトが与えられるスタートアップでないと、思った通りのスキルアップは望めないかもしれません。ただ、日々の雑務してるだけだとスキルアップにはならないし、そのへんはうまくバランスを考えて選んだほうがいいと思います。どっちも良し悪しあると思います。

ーどちらも経験されているだけあって、すごい貴重なお話しですね….。転職の際には、もう少し大きいメガベンチャーみたいなところとも迷われたりしましたか?

 

 

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