「意識高い系」を世に広めた常見陽平が、「就活強者」一橋生について語る 【千葉商科大学専任講師 常見陽平 後編】

編では、労働社会学を専門とする常見さんに、学生なら誰でも一度は考える就活や働き方への疑問にお答えいただきました。後編では、学問と一橋生へのメッセージを語っていただきます。
(前編はこちら

 

常識と感情を上手く手放して考える

ーちょっと話はそれて、学問の話をお伺いしたいと思います。

常見 はい。

ー大学生は教養を学ばなきゃいけない、目の前の学問に打ち込みなさい、と常見さんは主張されていますが、僕はそれを楽しめる環境が大学にあるのかなと疑問に思います。

常見 そこです。それは日本の大学全体の問題だと思うよ。教養がある人がどんな人なのか定義するのは難しいけれど、一つ言えるのは、学生はもっと「自分が分からない」ということに気づくべきだということ。簡単に答えを出そうとしちゃいけない。今振り返ると、二年間の修士課程で「簡単に答えを出さない姿勢」を学べたのは僕にとってすごく良かったです。人生において文学もマルクスも含め、色んな本を読んできたけれど、はっきり言ってよく分からないんですよね。この「分からないものに向き合おうとする」という余裕が、今の学生には無いよね。逆にいうと、単純に反射神経で答えを出そうとするのは愚かだと個人的には思います。だから、「無知の知」ではないけれど、分からない事とか、理解不能なことにいかに向き合うか、が大事なのかなと。

ーそれは、思考するということそのものにもっと貪欲になるべきだということでしょうか?

常見 そうですね。学生は抽象度の高い会話をもっとするべきだと思います。サークルとか部活の友達と馬鹿話をする中で、少しでも答えの出ない会話をどれだけしたかどうかが大事。ある話題に対して、どちらの考え方が正しいのかを悶々と考えたり、100年・200年のスパンで俯瞰して考えてみたり。

僕は大学時代に、当時すでに休刊していた『朝日ジャーナル』を読んでいたけれども、歴史的に大きな出来事が起きた時「昔の人たちはどう考えたのか」を考えるようにしていました。「昔のこの局面で偉人たちはどう考えたのか」、「この局面を人類はどう突破したのか」といったことに興味を持つようにしていますね。

ーそういうのを考えたり、大学の講義で学んでいく上で、教養に対する知的好奇心を高めていくのが大事だということですね。

常見 とにかく図書館行って岩波文庫みたいな昔の文庫を読むところから始めようよ。それで身につく考える癖とか、善悪を考える癖はすごく大切だと思うし、「常識と感情をうまく手放して考える」ことでいろいろ見えてくると思います。

ーなるほど。

常見 クリステンセン読んだ事ある?

ー『ジレンマ』ですか?

常見 そう、『イノベーションのジレンマ』が有名だよね。今回話したいのは、彼の書いた『イノベーション・オブ・ライフ』で述べられてたことなんだけど。ハーバードビジネススクールを卒業した学生の行き先で最近増えてるのって何かわかる?

ーよく耳にするのはシリコンバレーのスタートアップですが。

常見 それは25年ぐらい前からです。答は刑務所なんですね。逮捕される人が増えているんです。最近も東芝とか各自動車メーカーの件とか諸々不祥事がありますけど、やっぱり「よく生きる」ってのはどういうことなのかを考えた方がいいなと思う。すみませんね、キャリアとかを考える上で全く役に立たない話で!

ーいやいや(笑)自分自身を振り返ってみても、「よく生きる」って何なのか心から考え尽くした経験はないですね。

ー最後に一橋生にメッセージをお願いします!

 

常見 とりあえず、今日インタビューにきてくれて嬉しかったです(笑)イデオロギー的な話を抜きにして、なんだかんだいって僕は石原慎太郎とか田中康夫がOBとして好き。総合商社云々といったOB・OGが多い大学の伝統の中で、あんな面白い先輩がいることに勇気づけられました。

メッセージとしては、はみ出る勇気を持ってくださいと。別に、商社とか大企業に行く人生を全く否定はしません。ちゃぶ台をひっくり返すようだけど、君は君の人生を進め」と言いたい。あとはこれからの社会のことを、ちょっとひいた目で考えよう、と。大学時代は貴重だし、たくさん面白いこと広がってるので、大事にしてください。学園祭に百田尚樹呼んでるんじゃねえよ、と(笑)

ー(笑) ありがとうございました。

 

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