今の日本で、「大企業=安定」って本当に言えるの!? 急成長スタートアップ企業の若手OBに話を聞く<前編> 若手OB連載企画 スタートアップ企業編

<高森昂大さん>

一橋大学商学部卒。学生時代は、複数の企業やNPOでインターンを経験し、アメリカでのインターンプログラムにも参加。メガベンチャーなど複数社から内定を得るも、4年生の卒業間際の3月に現在のfreee株式会社への入社を決意。同社の新卒1期生として入社したのちは、セールスや営業企画を経験。現在は新卒採用責任者としてご活躍中。

 

経営者を目指して商学部を選択した学生時代

-本日はよろしくお願いします!早速ですが、学生時代についてお聞かせください。まずは、どうして一橋大学を選択されたのですか?

高森 僕の祖父と父が地元の熊本で自営業を営んでいたので、小さいころから事業を立ち上げるか経営者になりたいという思いが漠然とありました。それで経営を学びたくて、国立大学で商学部のトップといえば一橋、という安易な理由で一橋を選びました(笑)

-小さいころから経営者を目指していたんですか?

高森 そんなにたいそうなことではなくて、子供心に経営者として生きていくことはかっこいいなとちょっと思っていたくらいです。家族だけでなく、社員の人生も背負っているというのは、責任もあるだろうけど、その分自由に生きることができそうだなと。実際、今は、絶対に経営者になるというよりは事業を作っていきたいという気持ちが強いですね。ですので、大企業のプロ経営者というより、起業家・創業者として活躍したいという思いがあります。

-では、一橋の商学部に入って、経営者への道が近づいたと思いますか?

高森 正直な話をするとあまりそうは思わないですね(笑)商学部では、実践的なもの、役に立つものを身に着けたいと思っていたのですが、今思うと、すぐに役に立つことってすぐに陳腐化するものでもあるし、そんなものに市場価値はないなって。大学の4年間を費やして学問を学ぶんだったら哲学とかリベラルアーツといわれるものを学べばよかったという思いはあります。ただ、一橋ってスタートアップ界隈で頑張っている人って少ないのですが、少ないからこそ、起業する人やベンチャー企業に行く人たちとの密なネットワークを構築できたというのは大きいですね。

-一橋で学んだことで今の仕事に役立っていることはあまりないですか…?

高森 ゼミで学んだことは役に立っていますよ。2年生の時に沼上幹先生のもとで経営戦略・組織論を、34年生の時に伊藤秀史先生のゼミでゲーム理論を学んでいたのですが、情報を集めて、自分なりに仮説を立てて検証して、フィードバックをもらうという勉強を繰り返していました。アウトプット自体はそんなに完成度の高いものではなかったですが、未熟ながらもそのプロセスをくり返してきたことは価値があると思います。自分の理解しがたいものに向き合って解釈しようと取り組むことや、期限の中で追い込まれながらアウトプットを出すという経験は、今の仕事の状況にも似ています。

 

行動したからこそ広がったキャリア観

-次に、学生時代にされていたインターンやインターンを通じて得られたものについて教えてください!

高森 学生時代は、2年時にバングラデシュでのリサーチプログラムに参加し、3年時にコンサルティング会社、途上国支援のNPO、デジタル広告のベンチャー、4年の11月から今のfreee株式会社でインターンを行いました。全体を通して視野は広がったなと思います。ある程度職歴や経験を積んできた社会人がどういう想いでその会社を立ち上げたのか、実際に優秀なビジネスマンはどのように仕事を進めているのかなど、ビジネスに近い部分で考え方や知識を広げることができたのはよかったですし、キャリアを考えるうえで参考になったことは多いです。

-具体的には、どのような経験がキャリア観に影響を与えたのですか?

高森 例えば、1年時のゼミで初めて知ったバングラデシュのソーシャルビジネスについてもっと知りたくなり、翌年に2週間の海外プログラムに参加したのですが、実際に現地に行ってみると考え方が大きく変わりました。それまでは、貧困層=かわいそうな人たちだと思っていましたが、悲壮感があるどころか、ものすごく活気に溢れていました。子どもたちの目は本当にきらきらしていて、山手線の電車に揺られながら疲れ果てて目が死んでいるサラリーマンとどっちが幸せなんだろうって考えましたね。そういった発見もあり、帰国後にバングラデシュで支援活動をするNPOで長期インターンをしたのですが、やっているうちに何か違うなと感じました。

-どのような部分に違和感を覚えたのですか?

高森 そのNPOでは寄付がうまく集まっていたこともあってお金の使い方に甘い部分がありました。事業の効果測定がきちんとできていないと感じましたが、僕がその現状に意見を言ってもなだめられてしまうような環境でした。そのスタンスでは、自分の価値は発揮できないと思ったんです。海外プログラムもNPOでのインターンも、実際に行ってみたり働いてみたりしたからこそ、今までになかった価値観や気づきを得ることができました。そういう意味ではアクションを起こして一次情報を得たからこそキャリア観が広がったのだと思います。

 

 

-一次情報を取りに行くことで、本や人の話だけでは気づけない多くの発見があったのですね。もう1つのコンサルティングのインターンはどのような仕事をしていたんですか?

高森 主に組織コンサルや社員研修を事業としている会社で、社員数名のいわゆるベンチャーでした。アシスタントという立場で社員さんの仕事現場について回っていました。そこの社員さんはクライアントのことを常に意識していて、その非常に丁寧でクライアント思いの仕事ぶりには学ぶ部分も多かったのですが、マーケットを変革することよりは今のクライアントの満足度を上げることに注力する企業の形だったので、僕としてはなにか違うなと思ったんですね。それまで僕の中では、ベンチャー企業というものは全部、先進性のある自社のプロダクトで市場を席巻するような会社だと思っていたのですが、全てのベンチャーがそういうわけではないということを知りました。個人的には、先進性のある事業にワクワクするなと。そういった意味で、自分の中でのベンチャー企業像がより明確になりました。