「長島の教育を変えたるねん」後編

地方創生に燃える一橋男子

 

鹿児島北西部の島「長島」で、教育の現場を自らの手で変えようとしている宮本滉平さん。長島でのプロジェクトにかける想いを熱く語ってもらった前編だったが、後編では、長島での経験を転機に大きく変わることになった彼のキャリア観に迫る。

 

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「行政」よりも

「民間」で

 

-奥田「活動を通じて、キャリアに関する意識には変化があったのですか?」

 

宮本「地方の教育の現状に、興味や問題感を抱くようになりました。これから過疎化が進んでいく中で、問題はより一層深刻になっていくだろうし、こういった教育の格差を仕事で解消することができればと。このころは以前から公務員に興味を持っていたこともあり、文科省や総務省もいいなと考えていました。民間には目を向けてなかったです。」

 

-奥田「へえー。でも今はバリバリ民間なんですよね?公務員から民間に意識が変わったのは、どのような経緯があったのですか?」

 

宮本「活動していく中で、やっぱり現場で中学生に直接勉強を教えるのが一番楽しいと思うようになりました。あとプロジェクトの企画リーダーをやってみて、自分のアイデアを形にするのがすごく面白いと感じて。そういった中で、制度を作っても現場にいられないのはなんか違うなと感じるようになり、現場から遠い公務員は自分に合ってないのではないかと徐々に思うようになりました。

その上、こんな小さな一地域の教育を改革するのも難しいのに、国の教育を変えるなんてなかなか言えたものじゃないなと(笑)。制度から教育を変えることの難しさを実感したんです。だから、自分はまずは小さなことでもいいので、教育の現場で確実な変革を起こしたいと思うようになりました。」

 

-奥田「行政と民間。地方創生ビジネスを考えるにあたってはまさに重要なポイントですよね。民間への思いが強まったのは、他にも何か要因があったのですか?」

 

宮本「長島のプロジェクトには、僕たち大学生の他にも元大手IT企業ビジネスマンだった人も数名ジョインしていて。その人たちは、大手IT企業でバリバリ働いていたのですが、本当にやりたいことを求めて長島に飛び込んだそうなんです。その人達を間近で見て、やっぱり仕事は自分がやりたいと思うことを実現するためのものなんだと感じて。自分自身も素直に挑戦したいことをやりたいと思うようになりました。スピード感を大事にしながら現場でどんどんやりたいことを実行していく。これは民間だからこそできるのだろうと思うようになったんです。」

 

 

長島2

 

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ITの力こそ、地方の教育を

変えられるはずだ

 

-奥田「ひとくくりに民間企業といっても、色んな業界、企業があります。地方の教育改革に携わる上で、どんなところを考えているのですか?」

 

宮本「教育の地理的な格差を解消するためのツールとしてITに大きな可能性があると考えています。ITと教育を組み合わせることで、地理的な弊害は小さくできると。ただ、いくら便利なIT技術を提供しても使われなかったら意味がないですよね。そこで、地方自治体と組んでITの重要性を認識してもらえれば、地方の教育にも大きなインパクトを与えられると思います。ですので、ITの力で地方の教育を改革するという目標もありますが、システムを取り入れてもらえるよう自治体に働きかけるという仕事も考えています。」

 

-奥田「地方創生という軸と、教育という軸のどちらを重視して見ているのですか?」

 

宮本「実際、東京で塾を開くとかは全く考えてないので、地方への意識は強いです。教育において、地方ならではの問題を解決したいと思っているので、地方創生的な観点で見ていますね。長島でプロジェクトに携わる中で、地方への思いが強まったのは間違いありません!」

 

-奥田「ここまで話を聞いて、宮本さんはアクティブにチャレンジしていく中で新しい発見を得られたのだと感じました。そのチャレンジの原動力は何だと思いますか?」

 

宮本「頭の中で考えてばかりで行動しないことには、やりたいことは見つからないと考えています。目の前の機会に飛び込んでみたら楽しくて夢中になることもあるし、やっていく中で自分の可能性と同時に無力さにも気付きます。自分は常にそういった機会がないかアンテナを張っていたので、キャッチすることができたんじゃないかと思います。ついこの前も、下北沢でたまたま熊本の復興イベントに参加してみたら、そこでもまた新しい人と繋がって、今度は熊本でボランティアをすることになりました。」

 

 

2016-07-13 16.04.59

 

 

-奥田「常にチャンスを掴もうとするスタンスそのものが、宮本さんに次のチャレンジを提供しているんですね。では最後に、宮本さんご自身が今後どうして行きたいのか、今考えているビジョンがあれば教えてください!」

 

宮本「長島でのプロジェクトに関していうと、今はとにかく後継者を育てていくことを考えています。教育というものは、パタってやめちゃいけなくて、継続させなきゃ意味がないと思っています。プロジェクトが続くように、後釜をしっかり育てていくことがこれからやっていきたいことであり、僕に与えられた使命ですね。

キャリア、仕事については、入学当初は、仕事は生活するための手段だと考えていました。仕事をしてお金を稼いで楽しく過ごせばいいと。それが、長島での経験を踏まえて、仕事こそ自分のやりたいことを成し遂げるものなのだと考えるようになりました。それは、チャレンジしてみて初めて気づくことができたのだと思います。今後、自分のやりたいことをやって、それが人のためになるというのを、仕事を通して実現していきたいですね。」

 

 

頭で考えているだけでは何も分からない。とにかくチャレンジしてみて、初めて視野が広がる。まさに宮本さんが体現していたことである。最初は、単純に骨のあることをしたいと思って飛び込んだものが、自分の将来を考える上でも大きな指針となるということは、誰でも経験しうることである。「やりたいことを実現させるために、仕事をする」という、キャリアを考える上でぶれない大きな軸を宮本さんが見つけ出すことができたのは、積極的にアンテナを張り、自らチャンスを掴みに行くスタンスが確立されているからに違いない。

 

 

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