ちょっとミャンマー行ったら人生変わった 前編

安田雄貴という男

 17年卒の就活もほぼ終わり、多くの4年生が内定を手にしている中、休学して一人ミャンマーに渡り、 新たな挑戦をしている一橋生がいる。彼は初めなんとなく商社に行きたいという思いを抱いて学生生活を過ごしていた。ところが、在学中のかけがえのない大きな経験を通じて価値観が劇的に変化し、今新たな 一歩を踏み出そうとしている。今回は商学部4年生(休学中)の安田雄貴さんにインタビューをした。

 

「なんとなく商社に行きたかった」

 

––奥田「たぶん色んなことを経験されて、今はもう変わってると思いますが、大学1・2年の頃は将来について どう考えていましたか?」

 

安田「ビジネスの最前線で大きなことをしたいと思ってました。その為には、将来大企業かなと。それで一橋入って、日本市場がシュリンクしていくなかで何が強いだろうって考える中で、プロダクトがなくても収益をあげられる商社がいいなって思うようになりました。

 その上、海外で規模のデカい事業に携われるっていうのも魅力的に感じたんですよね。それで「なんとなく商社行きたい」ってしばらくずっと思っていました。それが、2年の終わりぐらいに 自分の周りで起きたある出来事が原因で、徐々に変わっていったんです。」

 

––奥田「具体的に何があって、どう気持ちが変わったんですか?」

 

安田 「その出来事は、自分の周りにあった当たり前のものが突然崩壊してしまうっていうものだったんですけど、それが自分にとってあまりにも衝撃的で、『あれだけ当たり前にあったものが、突然壊れてしまうこと ってあるんだ…』って心から感じたんですよね。それがきっかけで、絶対に壊れないと思っているものが 簡単に壊れてしまうこともあるって認識して、ずっと考えていた大企業が、突然にだめになってしまうこ ともあるんじゃないかって思うようになったんです。

 それなら、大きな組織に頼らず自分の足で食ってい かなきゃだめだって思い始めて、ビジネスで新しいものを作り出していくってことに興味をもつようにな りました。それで、イノベーションを勉強するゼミを選んで、そこでバリバリ学んでやろうと。ただ、その 頃は気持ちに行動がついていかず、勉強もサボってばっかでしたけどね(笑)」

 

安田取材2

価値観が大きく変わった、3年夏のミャンマーでのインターン

 

––奥田「その出来事以降、商社に行きたいっていう思いはなくなったんですか?」

 

安田「その頃はまだまだ商社の思いも強くて、ベンチャー楽しそうだけどやっぱり商社がいいかなあって考えてました。実際、商社で活躍すれば自分の足で食べていくことは可能だろうし。ただ、ゼミでイノベーションを学ぶにつれて、やっぱり自分で何か作り出したいって思いは強まってました。

 その中で、ちょうど3年の夏に、ミャンマーっていう最強にアウェーな環境でビジネスができるインターンがあるっていうことを 友達から聞いて。「何もない中で自分の力だけでビジネスを作っていけるし面白そう」って思って参加する ことにしたんです。その経験が、自分の中の価値観を大きく変えました。」

 

––奥田「ミャンマーでの具体的な経験と、価値観の変化について詳しく教えてください」

 

安田「プログラム自体も、短期間で強烈に成長できるめちゃめちゃいいものだったんだけど、それ以上に、そこでの人との出会いが自分にとって圧倒的に大きな財産になりました。ミャンマーって、外資の進出もあって産業が今ものすごい勢いで発展してて、国全体が劇的に変化してるフェーズにあるんです。

 そういう進歩の活発な環境でのビジネスの面白さから、商社とかで勤務してた日本の優秀なビジネスマンもいっぱい集まっていて。そういうビジネスマンに話を聞いてみると、年収が前の1/7とかになるのを覚悟で、それでもミャンマーでのビジネスが面白いから、大企業辞めて来てるって人もいるんです。

 こういう生き方もあるんだって感じたし、自分の本当の力が試されるような環境でビジネスを作り上げてる人の話を聞いて、ものすごく興奮した。しかも、そういう人って、強烈に環境が変化してるミャンマーで他の人ができないようなチャレンジングな経験してるから、色んな大手企業からスカウトが来るらしく、実際こういう場でチャレンジしてもリスクってそんなにないじゃんって分かったんです。

 プログラムが終わる時、2週間で自分の価値観とかキャリア観がめちゃめちゃ変わったのを実感して、あまりの感動に大泣きしたんです(笑)。本当に感無量って感じ(笑)。自分の心が本気で動かされてるのを実感して、「こんなに心動かされる ことなんてめったにないんだから、来年絶対にまた戻ってくる」って誓って、休学するリスク云々とか全 く考えず、ただただ「来年もミャンマーに来たい!」っていう思いが残ったんです。」

 

ミャンマーでの経験を経て安田さんはどう変化していったのか。
後編では、その変化と安田さんの今後に迫る。

 

後編